【 圧力センサーベーシック #6:圧力センサーの姿勢特性】
ピエゾ抵抗型(MEMS)半導体圧力センサー内の薄いダイアフラムは、重力やその他のわずかな力によって影響を受けます。図1は、センサーの上面に重力が加わる様子を示したものです。もしセンサーの取り付け位置を変更し下面に重力が加わるようになった場合、上面に重力が加わった場合との差が約2gほどの差が生じます。とくに微圧を感知するセンサーでは、より薄いダイアフラムを使用していますので、その感度は増大します。
故、適切な取り付け姿勢が考慮されてなければ、ゼロ点較正時に許容できないほどの誤差を引き起こす要因になったり、またセンサーが較正された時とは逆方向に取り付けられた場合など、最大の誤差が発生する可能性があります。センサー実装時での、1gを超えるような加速力や衝撃は、圧力変化なしにゼロ点出力を変えてしまいます。
図1ダイアフラム上面に加わる重力は、薄いダイアフラムにとっては約1gの力となります。
取付姿勢特性の最小化
重力やその他の力による影響を最小化するために、オールセンサーズのアンプ内蔵型、ミリボルト出力低圧センサーは、オールセンサーズの独自技術を用いて、全てのオフセット出力値やコモンモード誤差を減少させています。この独自技術により、温度の変化による出力オフセット誤差、ウォームアップに対する安定性、長期安定性、姿勢特性は、従来の補正方法に比べ全て大きく減少しました。
例えば、オールセンサーズの1 INCH-Dx-4V-MINIは電源比例出力タイプは、4V出力を持ち、オフセット姿勢特性(±1g)は±5mV、それはオフセットウォームアップシフトの半分以下の値であり、オフセット長期ドリフト(1年)やオフセット温度シフト(5℃~50℃)よりも少ない値、つまり±60mVの最大値です。オフセット姿勢特性は、フルスケールスパンの0.125%よりも小さいです。
また0.5 INCH-D-MVは、ミリボルトレベルの出力(10mV公称スパン)を持ち、最大±100μVのオフセットウォームアップシフトに比べオフセット姿勢特性(1g)は最大±5μVで、最大±μ200μVのオフセット長期ドリフト(1年)となります。オフセット姿勢特性は、フルスケールスパンの0.05%よりも小さいのです。これら例からもわかる様に、オフセット姿勢特性はほとんどの応用例の要求を満たしています。その他のオフセットパラメーターよりも大きく低減されています。
結論
取付位置や姿勢、重力、外部からの加速力による誤差は、オールセンサーズのアンプ内蔵型やミリボルト出力圧力センサーでは極わずかとなっています。