【圧力センサー ベーシック#1:圧力測定タイプ】
オールセンサーズの圧力センサーは、最先端のMEMS半導体製造技術により製造されています。MEMS半導体製造技術により製造される圧力センサーは、それまでの圧力センサーの概念を変えました。センサーサイズの小型化に加え、高精度化、低価格化により、医療機器のみならず、産業用プロセスコントロールの分野や、ポータブル機器・ウェアラブルディバイスなどにも急速に広まりつつあります。
オールセンサーズの圧力センサーは、シリコン製ダイアフラム上にピエゾ抵抗素子が形成され、受圧によりダイアフラムが歪むことにより電気的出力が得られるという、一般的にピエゾ抵抗型半導体圧力センサーと言われるものです。 圧力センサーは、シリコンダイアフラムが受けた圧力差を測定しますが、そのタイプには図1に示されるように次の3つの測定タイプがあります。
*ゲージ圧力 (a) : では圧力は、周辺圧力(主に大気圧)に対する相対圧を測定。
*絶対圧力(b) : では圧力は、チップ内の真空に対する相対圧を測定。
*差圧(c ) : では圧力は、2つの圧力の差(デルタ圧力)として測定。
ゲージ圧力、絶対圧力、差圧測定ではダイアフラムの両サイドの相対圧力は異なります。圧力を受けるダイアフラムは、その厚みが出力感度にも大きく影響する為、最先端の半導体製技術であるエッチングプロセスにより制御・製造されています。又ピエゾ抵抗素子も、温度特性をより改善できるように直並列接続で設計・製造されています。圧力センサーの選定においては、まず第一に圧力測定のタイプを明確にすることから始めます。表1は、代表的な各種測定のために必要なセンサータイプに関する表です。
表1 共通の測定タイプに対する圧力測定
【大気圧と高度】
最も基本的な圧力は大気圧です。海抜ゼロでの標準大気圧は29.92インチ水銀柱(Hg)(100KPa,760mm Hg(Torr)もしくは14.696 psi)です。大気圧は高度が上がるにつれて減り高度が下がるにつれで増加します。アネロイド気圧計は絶対圧力を測定する気圧計です。
高度測量器は海抜の高さを表す絶対圧力ゲージです。空気圧から海抜の高さへの変換にはよくルックアップテーブルが用いされます。例えば、海抜10,000フィートは10.1psia(69.7 kPa)です。気圧高度(halt)は以下の方程式を用いて計算ですることが出来ます。
halt = (1-(psta/1013.25)^0.190284)x145366.45 :式. 1
haltはフィートでの高さ、pstaはミリバール(mb)か ヘクトパスカル(hPa)での圧力です。
[液柱での高さ]
標準液に対して深さHでの絶対圧力は以下で定義されます。
Pabs = P + (ρ x g x H) : 式. 2
Pabbsはkg/m-s2 (or Pa)に対して深さHでの絶対圧力、Pは液表面での外部圧力、通常標準規格の大気圧ρは液体の密度(例えば、純水は4℃の時1 g/cm3 塩水は1.025 g/cm3です。)
gは重力加速度(g = 9.81 m/s2) (32.174 ft/s2) そしてHはメートル(or feet )での深さ。
[水の深さ]
水中での圧力は液体の密度や式.2による液体の深さに基づいて増加します。測定は真水や塩水の深さを含みます。真水において圧力はフィート当たり0.43pis 塩水においてはフィート当たり0.44pis増加します。スキューバダイバーの水中用の圧力ゲージ(SPG)や深さゲージは絶対圧力の値です。ダイビング用コンピュータは安全に上昇するのに必要な時間を計算する事ができます。30M の深さでさえ400kPa(3.951大気圧、58.1psi)の圧力となるからです。
[パイプ・チューブでの流動]
層流乱流や流動速度、動粘度係数、レイノルズ数、パイプ内部の直径や粗度、パイプの長さを含むいくつかの要素が、液体流動における圧力低下を決定します。オリフィスプレート、ノズル形ベンチュリ管は流動状態を簡単に計算できるようにしています。これらの場合では図2を参照)流動は、以下の方程式によりΔP (P1-P2)に関連しています。
q = cd π/4 D22 [2(P1 – P2) / ρ(1 – d4) ]1/2
qはm3/sでの流動、cDは流動係数、面積比A2 / A1、P1とP2の単位はN/m2、ρはkg/m3での流動密度、D2は直径内のオリフィス、ベンチュリもしくはノズル(メートル)p1″> D1は上流や下流パイプの直径(メートル)そしてd はD2 / D1直径比となります。
図2 ΔP流動測定の要素
[圧力パラメーター] 圧力測定はいろいろな圧力基準を使用します。差圧基準の変換に関してはhttp://www.wrh.noaa.gov/slc/projects/wxcalc/formulas/pressureConversion.pdf を参照ください。